コミュニケーションのノイズ
10月31日、alva noto + ryuichi sakamotoコンサート(拙ブログ記事)の帰り道のこと。読んでいた本を読み終えたところだったので、某駅構内の書店に立ち寄りました。
すると、入り口付近で40代くらいの男性が、店員さん二人を相手に声高にまくしたてています。すべてを聞き取ることはできませんが「責任者を……しなさいよ」「だからさっきから言っているけど、それが客に対する態度なの?」「だいたいね……」というような言葉が切れ切れに耳に入ってきます。店員さんたちは平身低頭、「ですから電話がつながらなくて……」というようなことを言っていますが、男性はまた似たような言葉を浴びせ続け、一向にしずまる気配がありません。
「何があったか知らないけれど、厄介なことになってるなー。店員さんたち気の毒だな…」と思いつつ、本を選ぼうとしたのですが、うるさすぎて集中して選ぶどころじゃありません。iPodで聴いている音楽越しにもバンバン耳障りな声が聞こえてくるんですから。
音楽どころではなくなってイヤフォンを耳からはずすと、別の男性が介入しはじめた様子。50代くらいのその男性、「こんなところで営業妨害じゃありませんか?」というようなことを言ったようです。クレーム男性の矛先が、今度はこの男性に移りました。「あなた、お店の人?お客さん?営業妨害ってどういうこと?あなた、それは私に対して失礼じゃないの?」とネチネチネチネチ。
んもう、よっぽどツカツカ歩み寄って「うるさくて本を集中して選べなくなってるんですから立派な営業妨害ですよ!」と言ってやろうかと思いました。こういうのって結構、我慢できない方なのです。
でも、待てよ。暴力は振るわなさそうだけれども、言葉尻を捉えてネチネチ攻めてくるタイプだけに、どんな言葉をかけるか良ーく考えないと。
①とにかく怒ってる
②かなり理屈っぽく、粘着質
③はっきりとは分からないが、酔っていたり、軽い精神疾患を抱えている可能性あり
④一般的に、人前で自分の非を指摘されたら、それが正論であっても人間は頑なになるもの
→よって、声をかけるなら、ソフト路線じゃないと、まず無理だな。男性が言うより、女性から言われた方が軟化する確率が少しは高いだろう。(あ、私、いちおう女じゃん? 笑)
「あのー、ちょっとよろしいでしょうかー?お話中、ごめんなさーい(*゚ー゚)>。お声が大きくて、ちょっとご本をゆっくり選びにくいのですぅ。申し訳ないけれども、もう少し小さな声でお願いできないかしらー?というか、もう店員さんもかなり反省していらっしゃるみたいだし、今夜はひとまずお終いにして、明日にでも責任者の方とお話なさってはいかがですぅー?」…こんなセリフでどうだ?(深田恭子の「富豪刑事」口調をイメージしてください 笑)
①それこそ深キョンとか、叶美香さんとか、はたまたロリータ女子高生が上記のような声をかけたら、クレーム男性が軟化する確率は70パーセントくらいか?
②深キョンでも叶美香でも、ロリータ女子高生でもない、私が声をかけて軟化する確率はどれくらい?うーん。
③クレーム男性が軟化せず、ネチネチの矛先が私に向いた場合、それが収束するまでに私が精神的に耐えられる確率は…?うーん、せっかくのコンサートの余韻をこれ以上壊したくないし、夜だから疲れてきてるし、耐性弱まってるよなー。。。
てな具合で脳内シミュレーションしているうちに、いつの間にかクレーム男性いなくなってました(爆)!セリフの効果、試せなかった。
noto + sakamotoコンサートと同じ晩に遭遇したこの出来事は、コンサートに音と光の交信=コミュニケーションというイメージを抱いていただけに、皮肉なほど対照的でした。noto + sakamotoは言葉を一切つかわずに鮮やかに音と光のメッセージを交信していたけれども、このクレーム男性に対しては、どのようなメッセージを発すれば心に響かせることができるのか。(自分が使うことのできる)言葉の力って弱いなーと思ってしまいました。(だって、最終的に言葉の内容より深キョンや叶美香さんに頼りたくなってましたから 笑)
音楽家なら、ああいう場面に遭遇したらどんな音を発するかな?なんて考えてみたり。
とはいえ、脳内シミュレーションをしたことは、無駄ではなかったと思っています。いつか似たような場面に出くわしたら、今度こそ使えるかもしれないしね。(ホントー? 苦笑)
心地よいコミュニケーションを音楽とするならば、このようなトラブルはノイズです。しかも、最近の音楽ですっかり市民権を得ている、グリッチやスクラッチのような快適なものでなく、耳を覆いたくなるノイズ。でも、こういうノイズを除去するのではなく、乗り越える努力をしていかないと、コミュニケーションの力は成長しないでしょう。
世の中いろいろ便利になったおかげで、自分を含め、世間の平均的コミュニケーション能力やノイズへの耐性が落ちてきているような気がします。電鉄各社で増えている「女性専用車」に私が感じる違和感もここにあるような。男女平等うんぬんという形式的レベルでの違和感ではなく、あれはノイズを除去、というか最初から回避する装置なんだと思う。男性と女性という、異質な(部分「も」持っている)人たちが同じ車両に乗っていれば、痴漢だとか、痴漢冤罪とか、酔っ払いに絡まれたとか、様々なノイズが生じて、利用者が不快な思いをしたり、職員が間に入らなきゃいけない面倒事は増えます。正直、私だって痴漢や酔っ払いに絡まれることは歓迎しないけど、そういうことを社会のいろんなところで避けられてしまうシステムが整えば整うほど、ノイズへの耐性が損なわれる怖さのことも考えなきゃいけないと思ったのでありました。(でも、女性専用車、乗ったことありますけどね。 笑)
ノイズへの耐性を高めたい。もっと強くなりたい。(腕力じゃなくて精神的に。)
まず大人が強くならなきゃ、今の子ども達の脆弱性がなくなるわけがない。
といいながら、人一倍ひ弱な私ですが。
少しでも強くなるには、私の場合、やはりgood music & good friendsの力を借りたいところ。
そういえば、ちょうどいいタイトルの曲がありました。。。
Burt Bacharach & Elvis Costello / God Give Me Strength
(歌詞はこちら)
サカモト話で始まって、コステロで締めるのもちょっとバランス悪いので、最後に懐かしい曲をもうひとつ。
♪See how the world goes round
You've got to help yourself
See how the world goes round
Then you'll help someone else
YMO / 以心電信
オレンジ○ンジ。なあに、それ?(笑)
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