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2006/01/31

Lost In Translation ('03)

映画Hiroshima Mon Amourが無かったので(昨日記事)、替わりに借りてきたのはLost In Translationでした。(ええと、私はタイムリーな映画を見るということがあまりないので、その点はご容赦を。)

lostintranslation 

巨匠フランシス・コッポラ監督の娘、なんていう前置きはもう不要ですよね。ソフィア・コッポラ監督、主演はスカーレット・ヨハンソンとビル・マーレイ。新宿のパークハイアット東京を舞台に交錯する、若い人妻と中年俳優の物語。

まったりとした密室劇を勝手に想像していたので、かなり笑えるシーンがたくさんあって(カラオケの場面が選曲ともどもすごくツボ)、テンポもなかなか良いのが意外でした。まあ、新宿のホテルに泊まっているのになんでわざわざ渋谷のゲーセンをうろついてるの?とか、この俳優さん、仕事で来日している割には遊んでばっかりじゃない?とか、ツッコミどころも色々あるのですが、それを言っちゃ野暮ってもんですね。

淡いペール・トーンの画面がとても繊細で綺麗です。Airやはっぴいえんどをはじめとする音楽のセレクションも映像によく合っています。テキトーな通訳(実際にはあそこまでひどい通訳さんはいないと思いますけれども)や、ジャパニーズ・イングリッシュのせいで、もどかしくすれ違うコミュニケーション。でも、タイトルは「ロスト・イン・トランスレーション」ながら、通訳を必要としない、同国人同士のやりとりでもコミュニケーションがすれ違っていく様が克明に描かれているのがミソなのではないかと思いました。本当は東京でなくても、この2人は周囲からはぐれ、やがて互いを見つけ出したのかもしれない。でも、もちろん、異国を舞台にすることで2人の所在無さは強調されています。

言葉が同じであろうと異なろうと、本当に意思を通わせることのできる相手というのは、おびただしい数の人々の中にいても、出会えるかどうかわからない。見失ってしまう可能性の方が多いのかもしれない。その儚さを描く舞台に、東京という都市はとても似合っていると思いました。NYやロスよりも、人々の個性が淡白なせいか、ずぶずぶと、どこまでも「ロスト」になれる場所。

この東京の雑踏に徹底的にまぎれて「ロスト」になるのが、私はとても好きだったりするのですが。