昨日アップするつもりが、疲れて寝ちゃいました(;´ρ`)。はあ~、よく寝た!
一昨日の記事のように、ゲンズブールの声に「っきゃー!」な夜を送った翌日。あらためて「っきゃー!」だった曲名を確認したら、Sous le soleil exactement(「太陽の真下で」)とLes sucettes(「アニーとボンボン」)だった‥‥というところまでは、すでに書きました。
この2曲に共通するもの。それは「S」の音が多いんですね。タイトルからして、
Sous le soleil exactement(強いてカタカナで書けば)→ス・ル・ソレイユ・エグザクトゥマン
Les sucette→レ・シュセットゥ
と、それぞれ「S」音がふたつずつ入っていますし、歌詞自体にもたくさん登場して、それをまたゲンズブールが大袈裟に息をシュッシュさせながら丁寧~に発音しているのです。これはくすぐったいわけだ。「S」音恐るべし。しかも、「かなりワル」おやじのゲンズブールのこと、確信犯的に「S」音の多い曲を書いている‥‥なんてこともあり得そうな気がしてきます。さらに「S」だけではなくて、「K」や「T」の音なんかも、炭酸の泡が弾けるように、そっとやさしく発音されると、かなりグッとくるものがあります。日頃は歌詞の意味に気をとられることが多い私なのですが、言葉の意味から離れた、個別の音が持つ魅力というものに、がぜん興味が湧いてきました。

ゲンズブール・フォーエヴァー
そんな時、なんともタイムリーに目が留まったのが、tonosanさんのブログ『Perspective of idea立体的思考のために。』の、 「音のクオリア」という記事。黒川伊保子さんの著書『怪獣の名はなぜガキグゲゴなのか』(新潮新書)の解説・感想とともに、「音のクオリア」の概念を説明なさっていました。「音のクオリア」!これこれ!と、さっそく黒川さんの本、購入~!
「クオリア」とは認知科学用語で「五感を通じて脳に入力される知覚情報が脳に描く印象の質のこと」だそうです。「音のクオリア」は、「ことばの音単体のサブリミナル・インプレッション」(p.56)。「ことばの音の響きには、潜在的に人の心を動かす力がある。発音の生理構造に依拠した、人類共通に与える潜在情報があるのだ」(p.13)。たしかに、前夜のことを思い出すと、言葉の意味を飛び越えて、個々の音に心を動かされたという手ごたえがありましたから、身を乗り出して読み進めました。
もともと人工知能のエンジニアで、自然言語解析をやっていたという黒川さんは、かねてから企業名や商品名の企画などの現場で語られてきた経験則から説き起こします。「車の名前にはCがいい」(例・カローラ、クラウン、セドリック、シビック等)、「女性雑誌はNとMが売れる」(例・アンアン、ノンノ、モア等)、「人気怪獣の名前には必ず濁音が入っている」(例・ゴジラ、ガメラ、キングギドラ等)。このように経験的に語られてきた、ことばの音のサブリミナル効果についての科学的・客観的研究はこれまでなかったそうです。
そんなわけで、黒川さんが初めて体系化したサブリミナル・インプレッション理論を読んでみた感想ですが、興味深い発想やエピソードがたくさんあったものの、各論レベルでは疑問や違和感を感じるところが多々ありました。例えば、黒川さんはあくまでも日本語の50音のローマ字をベースに体系化していることもあって、「R」音と「L」音の違いなどは大雑把すぎると思いましたし、一番の違和感は、各音が与える(と黒川さんが考える)インプレッションの内容がどうしても恣意的に感じられることです。それでもやはり「音のクオリア」という発想は面白いので、今後各分野での研究が進むことを期待したいです。
さてさて。読後にゲンズブールの曲を再検証してみました。黒川さんによると、思春期の少女たちはS,K,Tという音に傾倒するそうです。「これに、全年齢層の女性にキレイを感じさせる音Rを加えた四音が、若い女性にモテる音になる。」(p.172) S,K,T,Rの四音‥‥黒川さんのR音はL音とほぼ同じなので、S,K,T,Lとすると、なんとSous le soleil exactement(ス・ル・ソレイユ・エグザクトゥマン)は、タイトルだけですでに若い女性にモテる四音全てが揃い踏み!さすが、「かなりワル」おや‥(もういいって 笑)
これを応用(?)して、「とにもかくにも、『オトコこども』の好きな音」(p.135)である濁音を効果的に使った曲がないか考えてみました。思いついたのは、古い曲ですが、Get It On (Bang A Gong)。オリジナルはT.Rexで、私は80年代のThe Power Stationによるカヴァー・バージョンに親しんでいました。サビの歌詞「♪ゲリロ~~ン、バガゴ~~ン、ゲリロ~~ン(Get it on, bang a gong, get it on)」の、「G」と「B」の音を思いっきり強調して歌うとスカッと爽快、ストレス解消!これが「♪しゃばだ~、しゅびだ~、しゃばだ~」だったら、なんだか腰砕けでヒットしなかったような気がしませんか?
T.REX/ 20th Century Boy: The Ultimate Collection (試聴可)
ザ・パワーステーション (日本盤)
皆さんお気に入りの曲で、歌詞の意味というよりも、特定の「音」がなんだか気持ち良い!というのはありませんか?あと、これからブログ名やハンドル名を決める方は、お気に入りの言葉やイメージ、文字の見た目の印象など、決め手となるポイントは色々ありますが、「音のクオリア」も考慮に入れてみてはいかがでしょう?
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